イスラエル人質動画が出回る恐れ、子どものSNSアプリ削除の勧告

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イスラエル、英国、米国の学校は子どものSNSアプリを削除するよう保護者に呼びかけている/Rouzes/iStockphoto/Getty Images

イスラエル、英国、米国の学校は子どものSNSアプリを削除するよう保護者に呼びかけている/Rouzes/iStockphoto/Getty Images

ニューヨーク(CNN) イスラエルや英国、米国で、学校が保護者に対し、子どもたちのスマートフォンからSNSアプリを削除するよう呼びかけている。イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスの衝突が続く中、ハマスがイスラエルで拉致した人質の映像を拡散させる懸念が強まっている。

イスラエルのテルアビブでは、「命乞いをする」人質の映像がSNSに出回ることが予想されるとして、学校の保護者団体が注意を呼びかけ、ティックトックなどのアプリを子どものスマートフォンから削除するよう促した。

「こんなものを子どもたちに見せるわけにはいかない。SNSのこうしたコンテンツを全て封じ込めることは難しく、もっと言えば、不可能だ」と保護者団体は述べている。

ハマスは、もしもイスラエルが予告なくガザの人々を標的とした場合、人質を殺害する映像をSNSに投稿すると予告した。

テロ組織が世界のイスラエル支持者に心理戦を仕掛ける狙いで、SNSの仕組みを悪用し、ユダヤ人やイスラエル人のインフルエンサーをフォローするユーザーをそうした映像の標的にする可能性もある。

米国内のユダヤ人学校も、今回の戦闘に関連する映像や写真を共有しないよう保護者に呼びかけ、子どもも自分たちもそうしたコンテンツを見ないよう勧告。この間はSNSアプリを無効にするよう促した。

ニュージャージー州のある学校の校長は電子メールでこう呼びかけた。「私たちユダヤ人学校は、インスタグラム、X、ティックトックなどのSNSアプリを子どもたちのスマートフォンで無効にするよう、保護者に警告しています」「画像や誤解を招く情報が野放し状態で、生徒たちの恐怖をかき立てています。保護者はそうしたプラットフォームの危険性について話し合い、子どもたちが何を見ているのか毎日尋ねる必要があります。たとえ最も野放し状態のアプリをスマートフォンから削除していたとしても」

英国のある学校は、安全講習の中で生徒たちにSNSアプリの削除を指導した。

X(旧ツイッター)は、紛争地域で日々Xを積極利用するユーザーの数が増えていることを確認し、「グラフィックメディア、暴力的な発言、憎悪に満ちた行為を共有していた数万の投稿に対して行動を起こした」と説明。「我々の取り組みの一環として、反ユダヤ的な発言を引き続き積極的に監視している」「トレンドやトピックを操作しようとした数百のアカウントを削除する行動を取った」としている。

それでもXを含むSNSには偽情報が投稿され続けている。

航空機が撃墜される場面と称し、「#PalestineUnderAttack(パレスチナが攻撃されている)」というハッシュタグ付きで出回った投稿は、50万回以上も閲覧された。しかしこれはゲームの画面だったことが分かり、その後注釈が付けられた。

ハマスの戦闘員に捕らえられたイスラエルの将兵と称する別の映像は、9日までに170万回以上閲覧された。だがこれは、アゼルバイジャンで拘束された分離独立派の映像だった。

欧州連合(EU)は10日、X上でイスラエルとハマスの戦闘に関する偽情報が拡散しているとして、経営者のイーロン・マスク氏に罰金を警告した。

EUは11日、メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)に対しても、フェイスブックなど傘下のSNSで偽情報が急増していると通告。この問題への対応について24時間以内に返答するよう同社に求めた。

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