オープンAI従業員505人が退職を通告、CEO解任めぐり取締役に辞任要求

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オープンAIの暫定CEOにはエメット・シアー氏が就任する見通しとなり、ミラ・ムラティ氏(写真)の昇格は取り消しになった/Philip Pacheco/Bloomberg/Getty Images

オープンAIの暫定CEOにはエメット・シアー氏が就任する見通しとなり、ミラ・ムラティ氏(写真)の昇格は取り消しになった/Philip Pacheco/Bloomberg/Getty Images

(CNN) 対話型AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」を開発した米オープンAIで、サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が解任されたことに抗議して従業員505人が取締役に辞任を迫り、自分たちも退職すると通告した。

従業員側は書簡の中で、アルトマン氏を解任した取締役会に不手際があったなどと主張。アルトマン氏が取締役会に真意を明かさず、経営陣との交渉に対して不誠実だったと取締役会が説明したことについても、それを裏付ける根拠がないと訴えている。CNNはこの書簡を入手した。

書簡ではアルトマン氏を解任した取締役会について「あなた方にオープンAIを監督する能力がないことがはっきりした」と述べ、「能力も判断力もなく、我々の理念も従業のことも気にかけない人々と共に働くことはできない」としている。

その上で、取締役が辞任してアルトマン氏と社長だったグレッグ・ブロックマン氏を復帰させなければ、自分たちもアルトマン氏を追ってマイクロソフトに入社すると通告。「マイクロソフトはオープンAIの従業員全員の採用を保証している」とした。

この書簡には、取締役が17日にアルトマン氏後任の暫定CEOに指名したミラ・ムラティ氏や、オープンAI共同創業者でチーフサイエンティストを務める取締役のイルヤ・サツキバー氏も署名している。サツキバー氏はアルトマン氏の解任にかかわったと報じられた人物。新たな暫定CEOにはライブ配信会社ツイッチの共同創業者エメット・シアー氏(40)が就任する見通しとなり、ムラティ氏の昇格は取り消しになった。

サツキバー氏は20日、この書簡を受け、「取締役会の行動に参加したことを深く悔いている」とX(旧ツイッター)に投稿して謝罪し、「オープンAIを傷つける意図はなかった。私は我々が共に築いてきたものを愛しており、再び会社をまとめるために全力を尽くす」とした。今回の解任劇は、AI開発のペースや範囲に関するアルトマン氏と取締役会の対立に起因していると思われる。

アルトマン氏はサツキバー氏の謝罪の言葉を、3つのハートマークを添えて引用投稿した。

今回の書簡によって、アルトマン氏解任で脚光を浴びたオープンAIの内部分裂が浮き彫りになり、オープンAIの社外取締役3人の去就に注目が集まっている。

書簡によれば、アルトマン氏解任後の混乱を収拾する目的で、取締役会は経営陣に対し、会社を破壊させることがオープンAIの理念に合致すると伝えたとされる。オープンAIは、人工知能によって全人類に恩恵をもたらすという理念を掲げている。

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