所変わればピザ変わる、世界の絶品ご当地ピザ14選

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(CNN) ピザほど世界中で愛されている食べ物があるだろうか。

この究極のコンフォートフード( 食べることで幸福感・安心感が得られる食品)が誕生したのはイタリアのナポリだが、世界の多様な文化によってアレンジされてきた。そしてイタリア国外でも、イタリア人たちがさまざまな種類のピザを生み出している。

今回はイタリア国内外で味わえる絶品ピザ14選をご紹介する。

ナポリタン・ピザ

真のナポリピッツァ協会(AVPN)によると、真のナポリタン・ピザは例外なく、皮をむいて手でつぶしたトマト、スライスした新鮮なトマト、水牛のモッツァレラかフィオル・ディ・ラッテ(伝統的なモッツァレラ)、新鮮なバジルの葉、そしてエキストラバージンオリーブオイルがトッピングされているという。

また生地の材料には水、塩、酵母、小麦粉のみを使用し、必ず薪窯(まきがま)で焼かなくてはならないとAVPNは主張する。真のナポリタン・ピザのもう一つの特徴は、ふっくらと膨らんだクラストの縁で、「コルニチョーネ」と呼ばれる。

ローマのピザ

ローマの「食べ歩き」専門の旅行会社ザ・ローマン・フード・ツアーのヘンリー・カニンガム氏によると、ローマには2種類のピザがあるという。一つは「ピザ・トンダ」と呼ばれる丸いピザで、もう一つは「ピザ・アル・ターリオ」と呼ばれる切り売りの四角いピザだ。

ピザ・アル・ターリオを味わってみたい人にカニンガム氏が勧めるのが、プラティ地区にある「Pizzarium」だ。イタリアで最も有名なピザ職人の一人、ガブリエレ・ボンチ氏が経営するこの店には世界中からピザファンが集まるという。

一方、ピザ・トンダは「紙のように薄く、縁はカリカリして膨らみは全くないが、多少の気泡は許容される」と、ピザ職人でピザに関する著書もあるファビオ・エランテ氏は言う。生地にオリーブオイルを入れると、焼き上がった時クラストのカリカリ感が増す。生地の中に空気が残っていると焼いている間にピザが膨らんでしまうため、焼く前に生地を麺棒で伸ばして空気を取り除くのだという。

ピザフリッタ

ピザフリッタは油でじっくり揚げたピザで、ナポリで人気のストリートフードだ。

ピザ生地の中にリコッタチーズと豚脂を詰めて揚げることにより、よりふっくらとした重厚な味わいに仕上がる。

エランテ氏によると、見た目は全くピザに見えないが、生地は通常のピザのベースのように伸ばし、その真ん中に好みの材料をすべて載せるという。

中には折りたたんで密封した丸いポケットのような形のピザフリッタもあり、こちらは揚げたカルツォーネにそっくりだ。

シチリアンピザ

シチリアンピザは、その名の通り、イタリア本土の南端に位置するシチリア島で生まれた。その後、米国をはじめ世界各国に広まったが、場所は変わっても、オリジナル版の多くの特徴がそのまま残っているとエランテ氏は言う。

通常はオリーブ、アンチョビ、ケッパーといった風味の強い食材がトッピングされているが、クラストは分厚くて柔らかく、底がカリカリしている点と、トレーにのせて焼く点は共通している。

薪焼きピザ

オークやブナといった堅木を使って窯で焼いた標準的な薪焼きピザは世界中どこにでもあるが、実は、薪焼きピザは、ピザの1つのスタイルというわけではなく、単に窯で焼く時に燃料として薪が使われたにすぎないとエランテ氏は言う。

また薪で焼くことにより、ピザに燻製(くんせい)のような風味が加わると考える人もいるが、ピザが窯の中にある時間はごくわずかなため、ピザに薪の香りが移ることはないとエランテ氏は指摘する。

しかし、サクサクとした歯応えの薪焼きピザにファンが多いのは確かだ。

デトロイト風ピザ

「デトロイト風ピザは、今、米国で最もトレンディーなピザのスタイルの一つ」と、語るのは、アウトドア用ピザ窯や自家製ピザに関するウェブサイト「Pala Pizza」を運営するデレク・ゴーハン氏だ。

ゴーハン氏によると、デトロイト風ピザは、クラストが厚いパンピザで、隅々まで具材がトッピングされ、2本の太いストライプのソースがかかっているという。

また、壁の高い鉄製かアルミ製のパン皿で焼くのが特徴で、焼いている最中に端のチーズが溶け、パン皿の熱で縁がカリカリになるという。生地は基本的にフォカッチャで、厚みはあるがふっくらとし、外側は黄金色でカリっとしているという。

またソースをチーズの下に塗るのではなく、チーズの上にかけるのも特徴だとゴーハン氏は語る。

ニューヘイブン風ピザ

コネティカット州ニューヘイブンの住民たちがナポリタン・ピザに手を加えて作ったニューヘイブン風ピザは「apizza」(アービーツと発音する)と呼ばれる。

薄く、カリっとした歯応えのニューヘイブン風ピザは、通常は石炭を使って、れんがのピザ窯で焼かれる。それによりクラストがこのピザの特徴でもあるように「こんがり」と仕上がる(焦げたと言ってはいけない)。

シカゴのディープディッシュ・ピザ

シカゴのディープディッシュ・ピザはビスケットのような生地が特徴と語るのは、「The Ultimate Chicago Pizza Guide(究極のシカゴピザガイド)」の著者スティーブ・ドリンスキー氏だ。

また、生地の端がパン皿の側面に押し上げられ、逆にピザの真ん中がくぼんでいるのも大きな特徴だという。

「薄切りのモッツァレラチーズが生地を覆い、ソースから保護する。チーズの上にトッピングを載せるが、通常は生のソーセージをつまんで、生地にめり込ませる」(ドリンスキー氏)

その上にトマトソースを塗り、最後に乾燥オレガノと粉状のペコリーノチーズをふりかける。

キューバ風ピザ

マイアミのキューバ系移民によって広まったキューバ風ピザは、典型的な米国風ピザとは異なり、モッツァレラチーズだけでなく、ゴーダチーズもたっぷり載せる。

トッピングは、ピザの上に載せるのではなく、ピザの中に埋め込まれている。

タルト・フランベ

タルト・フランベは、フランス東部アルザス地方で作られているフラットブレッド風タルトで、いわゆるピザとは異なる。イーストを使用しない生地で作られ、窯で焼きあがると、薄く、カリっとしたピザのようなクラストが出来上がる。「フラムクーヘ」とも呼ばれ、ドイツの一部地域でも家庭やレストランで広く食べられている。

伝統的なトッピングとしては、フロマージュ・ブラン(塗ることができるチーズ)、クレーム・フレッシュ、ラルドン(ベーコンの燻製)、タマネギなどが挙げられる。

カタルーニャのコカ

コカは、ピザにスペイン風のアレンジを加えた食べ物で、スペインのカタルーニャ地方やバレアレス諸島では欠かせない料理だ。

通常はソースやチーズは使用しない。カタルーニャのコカの楕円(だえん)形のベースは、小麦粉、塩、水、イースト、エキストラバージンオリーブオイルを使って作られる。

伝統的なトッピングとしては、飴色になるまで炒めたタマネギや、焼いた赤ピーマンやホウレンソウなどが挙げられるが、ソーセージ、ナス、オリーブ、塩ダラなどを加えることもある。また甘いコカも存在する。

ラフマクン

ラフマクンはトルコ風のピザで、隣国アルメニアでも人気のファストフードだ。

この大きくて薄いフラットブレッド風の料理は、折り畳みやすく、口にも入れやすい。通常は牛肉や羊肉のひき肉がトッピングされ、パセリ、レモン、タマネギ、トマトなどが付け合わせとして添えられる。

ハチャプリ

ジョージアの有名なハチャプリは、ピザに似たボート型の食べ物で、アルメニア人も大好物だ。ふっくらと焼き上がった生地の中にチーズを詰め、その上に半熟卵を落とす。クラストの端をちぎってパイの真ん中のチーズと卵を付けて食べると最高だ。

ジョージアでは通常、イメルリ(牛乳で作った新鮮なカードチーズ)とスルグニ(牛、水牛、ヤギの乳で作る酸味と塩味のあるチーズ)を使ってハチャプリを作るが、これらが手に入らない場合はモッツァレラ、リコッタ、フェタで代用することも可能だ。

ニューヨーク・スライスピザ

ニューヨーク・スライスピザは、ガスオーブンで調理されたピザで、通常は持ち運びしやすいように直径18~22インチ(約46~56センチ)の円形のピザから切り分けて提供される。

ニューヨーク市でピザ店を営むニノ・コニーリオ氏によると、ニューヨーク・スライスピザは「カリカリしていて、大きさは22インチ以上で、8ピースにカットするのが基本だ」という。

また食べ方は自由としながらも、折り畳んだピザを食べながら街を歩かないと真のニューヨーカーとは言えないとコニーリオ氏は主張する。

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