山火事で焼けた樹齢150年の巨木に緑の葉、マウイ島復興へ希望の兆し

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2011年と23年に撮影されたバニヤンの巨木の写真/Getty/Chris Imonti

2011年と23年に撮影されたバニヤンの巨木の写真/Getty/Chris Imonti

(CNN) 米ハワイ州マウイ島の大規模な山火事で焼けた樹齢150年のバニヤンの巨木に、新しく緑の葉が芽吹き始めている。

マウイ島のラハイナ地区を象徴するバニヤンの木は1873年に植樹されたもので、高さは18メートルを超え、この種の樹木としては米国で最も大きい。一見すると何本もの木が生えているように見えるが、実は根の部分がつながっていて、現在約46本の幹がある。

この木はラハイナの住民が集まるお祭りの広場やプロポーズの場として親しまれ、観光客にも人気があった。

バニヤンの保全に取り組んでいる造園業者のクリス・イモンティさんは、新しく芽吹いた緑の葉を「希望の兆し」「新しい始まりのしるし」とみる。

新しく緑の葉が芽吹き始めたバニヤンの木/Chris Imonti
新しく緑の葉が芽吹き始めたバニヤンの木/Chris Imonti

「今現在、この木の約75%で新たな成長が見られる。本当にうれしい」「北東の角は最も熱を浴びたので、この部分についてはじっくり観察を続けている」とイモンティさん。今回の山火事で地面が激しく熱せられたため、水を吸収できる力が変化してしまったと説明する。このためボランティアなどが毎日約1万9000リットルの水や液体肥料をまいて、脱水状態になった根を回復させようとしているという。

山火事によりラハイナの大部分は焼失し、住宅や事業所が焼け落ちて住民1万3000人の半数以上が住む場所を失った。

「見回しても目印になるものは何もない」「この木は街の唯一の羅針盤のような存在だ」とイモンティさんは言い、「この木が息を吹き返し、私たちが前を向いて歩き始められるようになることを願っている」と語った。

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