国連安保理、ハイチへの多国籍部隊派遣を承認

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ギャング絡みの暴力事件が起きているハイチ首都ポルトープランスをパトロールする警官/Richard Pierrin/AFP/Getty Images

ギャング絡みの暴力事件が起きているハイチ首都ポルトープランスをパトロールする警官/Richard Pierrin/AFP/Getty Images

(CNN) 国連安全保障理事会で2日、カリブ海の島国ハイチの治安回復に向けた多国籍部隊の派遣を承認する決議案が採択された。

部隊の派遣はハイチのアンリ首相と国連のグテーレス事務総長が繰り返し要請し、米国も強く支持してきた。

採決では13カ国が賛成し、ロシアと中国が棄権した。

部隊は国連でなく、ケニアが主導する。同国はすでに警官1000人の派遣を表明。同じカリブ海のアンティグア・バーブーダ、バハマ、ジャマイカも参加の意向を示している。

任期は1年間で、現地に展開する日程は未定。他国にも参加を呼び掛けている。

決議案には、ハイチへの武器売却を、安全確保のためと認められた場合を除き禁止する条項も盛り込まれた。

ハイチではギャングによる暴力の横行と政情不安が続いてきた。主要な港湾都市でもある首都ポルトープランスの大半がギャングに支配され、約20万人の住民が避難を強いられている。

多国籍部隊は治安強化と、ハイチ国家警察の支援に当たる。

国連安保理では近年、理事国間の対立によるこう着状態が目立っているが、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は同決議を「歴史的」な決断と評価し、国連が集団的な行動を起こす能力が示されたと述べた。

中国の張軍国連大使は採決後、武力行使の承認には「慎重で責任ある」態度で臨むとの方針を強調したうえで、ハイチに関しては決議案への「建設的な立場」から採決を棄権したと述べた。

ロシアのネベンジャ国連大使は「ある国からたとえ要請があっても、別の国の部隊を派遣することは過激な措置で、熟考を要する」との立場を示す一方、決議案には有益な部分もあると語った。

中国とロシアはともに、武器禁輸の条項には支持を表明した。

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