パキスタンのカーン元首相、獄中からAIで演説 来年の総選挙控え

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パキスタンのカーン元首相=2023年3月、パキスタン・ラホール/Akhtar Soomro/Reuters/FILE

パキスタンのカーン元首相=2023年3月、パキスタン・ラホール/Akhtar Soomro/Reuters/FILE

イスラマバード(CNN) パキスタン総選挙を数カ月後に控え、服役中のカーン元首相が17日、人工知能(AI)を使った合成音声で獄中から演説した。

カーン氏は8月に汚職罪で有罪を言い渡され、収監された。さらに機密文書を流出させた罪にも問われているが、本人は繰り返し否定。来年2月に予定される選挙への出馬を阻止するための策略だと主張している。

同氏は5月にいったん逮捕されていた。これに対する抗議デモを受けて、当局がインターネット接続を3日間にわたり遮断。テレビ局にも同氏の演説の放映を禁じた。8月に再び逮捕されてからの法的手続きは公表されず、獄中や法廷での画像も公開されていない。

カーン氏が所属する野党、パキスタン正義運動(PTI)は17日、7時間に及ぶオンライン集会を開催した。この中で、カーン氏の声をAI技術で再現した約4分間のビデオを公開した。画面には本人の古い写真やビデオが流れた。字幕では、獄中からのメモに基づいたAI音声と紹介された。

同氏はこのビデオを通し、「まずはこの歴史的試みに取り組んだSNSチームをたたえたい」としたうえで、自身の獄中での状態について「真の自由に向けた決意は強い」と報告。

「わが党は集会の開催を認められず、メンバーが拉致されたり、家族が嫌がらせを受けたりしている」と訴えて、総選挙への投票を呼び掛けた。

集会の閲覧回数はユーチューブが140万を超え、ほかのSNSを通したライブ配信も数万回を記録した。この間、国内のSNSが制限されたとの情報もある。

AI音声の使用は、国家による弾圧との闘いを掲げる政治家らが、AI技術をいかに活用しているかを示すひとつの例と位置付けられる。

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