蚊が媒介するデング熱、南米中心に感染者激増 昨年の年間症例数上回る

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病院で診察を待つデング熱の患者=5日、アルゼンチン首都ブエノスアイレス/Natacha Pisarenko/AP

病院で診察を待つデング熱の患者=5日、アルゼンチン首都ブエノスアイレス/Natacha Pisarenko/AP

(CNN) 蚊が媒介するデング熱の症例が、南米を中心に急増している。汎米保健機構(PAHO)によると、今年に入って確認された症例数は520万例を超え、2023年の年間の記録を上回った。

PAHOによると、17日までに報告されたデング熱の症例数は521万4480例に上る。23年は年間で457万2765例にとどまっていた。

これまでの症例は南半球が中心で、ブラジルが大部分を占めている。リオデジャネイロ市は症例数の急増を受けて2月に公衆衛生上の緊急事態を宣言していた。

ペルー政府もこのほど、症例数が15万5000例に急増し、146人が死亡したことを明らかにした。

南米では状況が落ち着いてきた地域もある一方で、北半球では気温の上昇に伴って症例数の増加が予想されるとして、PAHOは警戒を呼びかけている。

デング熱が急増した原因としては、気温の上昇や異常気象、人口の急増、水や衛生施設の不備などが考えられる。

デング熱の流行を受けて、殺虫剤をまく保健当局者=2月、ブラジル首都ブラジリア/Eraldo Peres/AP
デング熱の流行を受けて、殺虫剤をまく保健当局者=2月、ブラジル首都ブラジリア/Eraldo Peres/AP

今年に入ってデング熱で死亡した患者は北米と南米を合わせて1858人で、現時点では23年の年間合計2481人を下回っている。

デング熱は主にネッタイシマカが媒介する疾患で、感染するとインフルエンザのような症状を発症し、重症化すれば死に至ることもある。

ペルーでは病院が逼迫(ひっぱく)状態となっている。今年に入ってデング熱のために入院した患者は首都リマの病院だけで2000人を超え、昨年の約900人を大幅に上回った。患者の治療には新型コロナウイルスの流行時に設置された特別病棟を使用し、ベッドの周りには蚊よけネットが張り巡らされている。

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