アフリカを後にした初期人類、通説より早くアジアに到達 化石の発見で判明

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ラオス北部のタム・パ・リン洞窟で発掘作業を行う考古学者ら/Kira Westaway

ラオス北部のタム・パ・リン洞窟で発掘作業を行う考古学者ら/Kira Westaway

(CNN) 人類の起源はアフリカにあるが、我々の最も古い祖先が具体的にいつアフリカ大陸を後にし、どのような経緯で世界中に広がっていったのかは、かねて考古学者の間で激しい議論を呼んでいる。

東南アジアのラオス北部にある洞窟で発掘された2つの化石は、現生人類ホモ・サピエンスが約8万6000年前に現地で暮らしていたことを示唆する。13日刊行のネイチャー・コミュニケーションズ誌に掲載された新たな研究論文が明らかにした。人類の祖先が世界中に移動した道筋は直線的であり、5万~6万年前に単一の波として起こったというのが通説だが、今回の発見はこれに異議を唱えるものだ。

「この早い時期の移住はうまくいかなかった可能性があるものの、ホモサピエンスが当該の年代までに現地に到達していた事実は変わらない。それは目覚ましい偉業だ」と、論文著者を務めた豪マッコーリー大学のキラ・ウェスタウェー准教授は電子メールの取材に答えた。

現在の人類のDNA分析は、初期の人類が約5万~6万年前にアフリカを出発したとの仮説を裏付ける。従来の考古学者は初期人類の移動について、海岸線と島々に沿う形でアジア、オーストラリアに向かった公算が大きいと考えてきた。

しかし、古い人類化石が中国やレバント地方(地中海の東側沿岸地域)から見つかったことで、この時代の人類の歴史が当初の想定より複雑であることが明らかになっている。

ウェスタウェー氏によると、現在の人類の遺伝子プールに影響する5万~6万年前の移住は最初のものではなく、より古い年代での移住が行われていた可能性がある。その移住はうまくいかなかったため、現在の人類の遺伝子には影響を及ぼしていないとみられるという。

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