米ジョージア州の選挙干渉事件、疑惑の検事は担当継続

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トランプ氏(左)と同氏の選挙介入訴訟を担当するジョージア州のウィリス地区検事/Getty Images

トランプ氏(左)と同氏の選挙介入訴訟を担当するジョージア州のウィリス地区検事/Getty Images

(CNN) 2020年米大統領選の南部ジョージア州での選挙に干渉しようとしたとしてトランプ前大統領と14人の同調者が訴えられた裁判を巡り、裁判を担当するスコット・マカフィー判事は15日、同州フルトン郡のファニ・ウィリス地区検事が引き続きその役職に就き、訴追に当たることを認める判断を下した。しかしウィリス氏が任命したネーサン・ウェード特別検察官は辞任を余儀なくされた。

検察側のトップ2人であるウィリス氏とウェード氏に関しては、不倫関係や私的な金銭のやり取りを行っていた疑惑が取り沙汰されていた。マカフィー判事は15日の判断に際して、ウィリス氏を叱責。ウェード氏との関係において「悪い選択をした」と戒めた。またこの問題についてウィリス氏が先月行った証言も「プロフェッショナルなものではなかった」と批判した。

訴追の資格を認める判断は、法律の技術的側面からみてウィリス氏の勝利となる。しかし一連の問題は、ウィリス氏本人と裁判自体に汚点を残した。今後裁判を担当する陪審団はこの件を熟知している公算が大きく、11月の大統領選で票を投じる一般の有権者に与える印象もよくないものとなる。トランプ氏は大統領選での共和党候補指名を確定している。

マカフィー判事はウィリス氏に対し選択肢を与え、自身かウェード氏のどちらかを訴訟の担当から外すよう求めた。ウィリス氏が外れる場合は地区検察内で後任を決める審議が必要となり、裁判に致命的な支障が出る。このため実際にはウェード氏が辞任する以外に選択肢はない状況だった。

ウェード氏は15日、ウィリス氏に辞表を提出した。

同日の裁判所の判断は、トランプ氏にとっても部分的な勝利を意味する。同氏は自身に対して起こされた計4件の訴訟について、裁判日程を遅らせ、検察側と形勢を逆転させようとしている。

トランプ氏の弁護士らはこれまでのところ、数多くの試みによって4件の訴訟全ての日程を遅らせることに成功している。

マカフィー判事は、ウィリス氏とウェード氏の疑惑に対する疑問は残るとしつつ、それらを立証する決定的な証拠はないと断定。訴追の取り下げが疑惑を解消するための適切な措置とはならないとの見解を示唆した。

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